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長期の勾留・自白の強要・冤罪から大切なご家族を「みお」の弁護士が守ります。

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皆さんは、敵対する相手方を言い負かす術をいくつか持っていますか?今回は、刑事事件の公判でよく用いられる「反対尋問のテクニック」をご紹介しようと思います。平たく言えば、敵対する証人が嘘つきで信用できないことを示すためのテクニックです。

刑事事件でよく用いられると言うと、自分には関係がないと思われる方がほとんどかと思いますし、また実生活と法廷では状況が違うのは勿論なのですが、このテクニックは、刑事事件の公判のみならず、民事裁判や事件の相手方との交渉の会話中でも弁護士が応用することがあるテクニックですので、何らかの参考になるのではないかと思います。相手に仕掛けられるとやっかいなので、身を守る意味でも、実生活に応用できる範囲で簡単にご紹介しようと思います。

これは、相手の前後の話に矛盾がある場合に、相手の以前の話と直近の話に矛盾があることを鮮やかに示すことで、相手の供述に信用性がないことを明らかにするテクニックで、こちらが、相手の話のどこかに矛盾があることに気づいていることが前提です。

このテクニックは、「3つの C 」などと言われる手法が元になっています。 「3つの C 」とは、①Commit (肩入れ)②Credit (信用状況の確認)③ Confront (対面)です。これを、この順番で行うことが大切になります。

  1. ① Commit(肩入れ)は、相手の直近の発言を確認するステップです。直近の発言を相手に確認させ、徹底的に肩入れさせることで、言い逃れができないように、予め逃げ道を防いでしまうステップです。相手を「ピン留めする」などと言われます。
  2. ② Credit(信用状況の確認)は、③で提示する相手の過去の話が信用できる状況で正確になされたことを確認するステップです。
  3. ③ Confront(対面)は、矛盾を相手に明らかにして、矛盾に対面させるステップです。

この 3 つのステップを踏むことで、相手の矛盾が明確になり、しかもその矛盾に弁解の余地がないことが示されることになります。抽象的な説明ではわかりにくいと思いますので、具体例をあげましょう。

ここでは、裁判の場面を想定しましょう(極めて簡略化した例を示します。実際には、こちらの意図が悟られないよう極力さり気なく行われます)。

当方が信号無視の交通事故の被害者側の弁護をしていて、加害者側の目撃証人が法廷で「被害者側信号が赤だった」と言い出したが、過去に警察には「被害者側信号はよく見ていなかった」と話しており、その内容を録取した調書が残っていたものとします。この矛盾をできるだけ鮮やかに示すためにはどうすればよいでしょうか(下記図参照)。

この例では、①から③をこの順序で行ったのでうまく行きました。でもどこかのステップを省略してしまったり、順序を間違えたりすると、失敗する可能性がぐっと上がってしま います。 例えば、①の後、②を省略して、先に③を持ってきてしまい、「調書では被害者側の歩行者用信号の色はよくわからないと記載されていますがどうしてですか?」などとやってしまうと、「警察官には話したが、警察官が間違えたと思う」だとか「警察官に話したときには自分も勘違いしていた」とか言い逃れをされてしまいます。

このような裁判の場面でなくとも、相手方弁護士と話していると、たまに会話中「あ!この弁護士ピン留めしてきているな」と気付くことがあります。そのときは、何か仕掛けてくるなという緊張感が走ります。

今回は、反対尋問のテクニックのごく一部をご紹介しました。他にも尋問の技術は色々あるのですが、おいおいご紹介できればと思います。

(弁護士 倉田 壮介)

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