アスベスト(石綿)被害国家賠償金・給付金請求 石綿関連疾患とは
アスベスト(石綿)を吸い込んでから何十年も経って現れる、健康被害です
アスベスト(石綿)は天然の繊維状の鉱物で、熱や酸・アルカリに強く、丈夫で変化しにくい特性があり、様々な建材をはじめ、ブレーキの摩擦防止材から各種日用品まで、盛んに利用されてきました。しかし、じん肺の発症や発がん性が世界中で問題になり、現在では、原則としてアスベスト(石綿)製品の製造・使用は禁止されています。
アスベスト(石綿)の繊維は非常に細く(髪の毛の1/5,000程度)、空気中に飛散した粉じんを吸い込むと、何十年もの潜伏期間を経て、肺がんや中皮腫などの病気を、高い確率で発症します。アスベスト(石綿)に直接ばく露する(注)、石綿鉱山や製造工場、アスベスト(石綿)製品を扱う建設現場や車両工場などの労働者はもちろん、持ち帰った作業着などを洗う際に吸い込んだ家族や、工場などから飛散して来たものを近隣住人が吸い込む、低濃度のばく露でも、中皮腫などのがんを発症する例があります。
(注)ばく露する:さらされる
アスベスト(石綿)被害国家賠償金・給付金請求制度の対象になる、4つの石綿関連疾患
1中皮腫
- 潜伏期間:20~50年賠償金・給付金支給基準:1,265万円 ~ 1,430万円
- 肺など胸の中にある臓器を覆っている胸膜や、肝臓や胃など腹部の臓器を囲む腹膜等にできる、悪性腫瘍(がん)です。中皮腫の原因は、ほぼアスベスト(石綿)と言われており、吸い込んだ量が多いほど発症率が高くなりますが、家庭内や工場近隣の低濃度ばく露でも発症する危険があります。 ▲中皮腫についてさらに詳しく知りたい方は、このボタンをクリックしてください。
2肺がん(原発性肺がん)
- 潜伏期間:15~40年賠償金・給付金支給基準:1,265万円 ~ 1,430万円
- アスベスト(石綿)が肺がんを発症させるメカニズムはまだ十分解明されていませんが、吸い込まれたアスベスト(石綿)の繊維が肺の奥まで届き、肺細胞を物理的に刺激することが原因と考えられ、ばく露量が多いほど発症率が高いことが知られています。
喫煙と深い関係があるので、医師の問診が不十分で職歴を見逃された場合、アスベスト(石綿)起因の肺がんではないと判断される可能性があるので、注意が必要です。
3石綿(アスベスト)肺
- 潜伏期間:15~20年賠償金・給付金支給基準:605万円 ~ 1,430万円
- 肺の組織が線維化して硬くなり、呼吸困難になる、肺線維症(じん肺)という病気の一種で、アスベスト(石綿)の紛じんを吸い続けることで起きた肺線維症を、特に石綿(アスベスト)肺と呼んで区別しています。仕事のためにアスベストの粉じんを10年以上吸い続けた労働者に起こるといわれています。
4びまん性胸膜肥厚
- 潜伏期間:30~40年賠償金・給付金支給基準:1,265万円 ~ 1,430万円
- アスベスト(石綿)によって発症した胸膜炎が進行し、胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺がふくらみにくくなって呼吸困難を引き起こす病気です。比較的高濃度の石綿のばく露が続くことで発症すると考えられています。根本的な治療法がなく、症状がさらに進行して中皮腫になる危険性があります。
国からの賠償金や給付金支払いの対象にならない方・ご遺族への、
アスベスト(石綿)による健康被害の救済制度があります!
- 石綿健康被害救済給付制度
- アスベスト(石綿)による健康被害の迅速な救済を図るため、石綿による健康被害を受けた方・ご遺族に、医療費等の救済給付を支給する「石綿による健康被害の救済に関する法律 (石綿健康被害救済法)」が平成18年3月27日に施行されました。
- 対象
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- 労災保険などの補償が受けられなかった方
- 当該工場の近隣住民の方
- 対象者のご家族(持ち帰った作業服等に付着した石綿粉じんにばく露など)など
アスベスト(石綿)による病気は、潜伏期間が10~40年と非常に長いため、証明が困難な場合が多々ありますが、「みお」の調査力で、必要書類の収集を強力にサポートします。