アスベスト(石綿)被害賠償金請求 石綿工場で働いていた方のご遺族の方へ
ご遺族(相続人)の方が手続をすることもできます
亡くなられた方が以下の条件に当てはまれば、国と和解して賠償金を受け取れる可能性があります。
亡くなられた方は――
- 昭和33年5月26日〜昭和46年4月28日の間
アスベスト(石綿)を扱う工場内で働いていた。(注1) - アスベスト(石綿)が原因の健康被害を被った。(注2)
(注1)局所排気装置を設置すべき石綿工場内で、石綿粉じんにさらされる作業に従事していた。
(注2)「石綿肺」「肺がん」「中皮腫」「びまん性胸膜肥厚」の4つの限定疾患を発症した。
就労した事実が証明されれば、
期間が短くても補償の対象になります
労働者として働いていた期間が、上記①の一部分であっても、国のアスベスト(石綿)粉じん対策への責任を問うことができます。
解決事例国の責任期間と就労期間との重なりがわずか16日間だった事例
中皮腫で死亡された被害男性の対象となる石綿工場の在籍期間は、国の責任が認められた期間と、わずか16日間しか重なっていませんでした。弁護士は日頃から、泉南型アスベスト訴訟の和解の枠組みからすれば、国の責任期間と就労期間との重なりの長短は問題にすべきではなく、重なりが1日でもあれば、国側は和解に応じるべきであるとの見解を持っていましたが、国が和解に応じない可能性も考え、判例や同種事例の調査を綿密行って慎重に準備をして、提訴しました。その結果、国との和解が成立し、請求通り1,430万円及び死亡日からの遅延損害金(年5%)の支払いを得ることができました。本件は、泉南型アスベスト訴訟において、国と和解が成立した全国の事案の中で、国の責任期間と就労期間との重なりが最も短い事例となりました。
就労状況の証拠集めもサポートします
アスベスト(石綿)は、粉じんを吸い込んでから病気を発症するまでの潜伏期間が非常に長く(平均約40年)、「静かな時限爆弾」と言われるほどです。退職後長い年月を経て発症される方が多く、アスベスト(石綿)にばく露する(さらされる)作業に従事していた証拠集めが困難な例も多数あります。
解決事例40年以上前の同僚を探し出し証言を得た事例
被害男性は、アスベスト(石綿)を使った建材の製造工場にお勤めでした。退職後、中皮腫を発症し、労災申請をしたものの、認定を受けたのは死亡後でした。
賠償金請求の訴訟提起後、国から、男性が実際に従事していた具体的な作業内容を、証拠に基づいて証明するように求められました。労災認定時の資料を調べても、男性は既に高齢で記憶が定かでなかったようで、具体的な記載はありませんでしたが、男性の元同僚を探し出すことに成功し、当時の作業内容の具体的証言を得て、無事、国との和解が成立。請求通り1,430万円及び死亡日からの遅延損害金(年5%)の支払いを得ることができました。
ご遺族自身の健康被害への救済制度もあります。