「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
先週から「意外と知らない自動車保険の注意点」と題して、
自動車保険に関するお話しをさせていただいています。
「自動車に乗っていないから...」という方でも、
自動車を運転される身近な方にお話ししていただけると幸いです。
唐突ですが、自動車保険に加入されている皆さんに質問です。
そもそも、自動車保険は何のために加入するものなのでしょうか?
万が一、運転中に事故を起こしてしまったとき、
被害者への賠償をしなければならない責任を負うことになります。
自分の不注意で、他人に怪我をさせてしまったといった場合に、
自分に代わって賠償をしてくれる(お金を払ってくれる)のが
自動車保険の一つの大きな役割です。
そしてもう一つ、自分が事故に遭ってしまった際に、
自分が被ったの損害をカバーしてくれるという役割もあります。
一般的な自動車の保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。
自賠責保険は自動車の購入と当時に、強制的に加入することになります。
これは国による保険の制度で、最低限の補償内容となっています。
自賠責保険の補償ですが、人身事故の場合に限られます。
物損事故は補償の対象にはなりません。
怪我や死亡した場合にのみ、自賠責保険の補償が受けられるのです。
自賠責保険の補償には上限金額があり、怪我の場合は120万円となります。
この120万円という金額は、怪我の治療費なども含んだ金額となりますので、
まさに「最低限の補償」ということがご理解いただけるものと思います。
事故によって後遺障害が残ってしまった場合には、
その後遺障害の程度等に応じて75万円~3,000万円までの補償が受けられます。
しかし、それでも一般的な裁判の基準よりは随分と低いもので、
まだまだ十分な補償内容とはいえません。そこで、自賠責保険では
到底カバーできない部分の補償を充実させるのが、任意保険です。
ところが、任意保険というのは、自分が誰かに対して賠償をするときに、
自賠責保険では足りない部分をカバーするのが本来の目的であり、
意外かもしれませんが、自分自身の被害については補償されないのです。
この続きは、次週に詳しくお話しすることにします。
次回も、自動車保険に関する大切なポイントについてお話しします。