「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
前回は、お金だけのやり取りをする、
昔からあるネズミ講についてお話ししましたが、
今回は、商品のやり取りを伴う別の手口をご紹介します。
この手口の被害に遭い、ご相談に来られた方も、
実際にいらっしゃいますので、その件もご紹介しましょう。
ネズミ講の場合、数千円程度という低めの金額で
勧誘が来ることもあるのですが、ご相談者の方から伺ったお話では、
50万円ものインターネット接続用の端末が商品になっていたそうです。
市場では2~3万円程度で販売されている商品ですが、
その商品を誰かに紹介して、ネットワークがどんどん広がっていくと、
どんどんお金が振り込まれていく・・・という仕組みだということでした。
また、その端末を使えば、ショッピングサイトで買い物ができる
サービスも付随しており、自分が紹介した相手がその端末を使い、
ショッピングサイトで買い物をした場合は、その売上げに応じて
報奨金を手にすることもできるというのです。
これは、お金だけをやり取りするネズミ講ではありません。
しかも、ネットショッピングの手数料もついているので、
非常にお得。全く新しい合法的なビジネスです・・・
といったような宣伝文句を使っていたようです。
一見すると、確かに犯罪ではないように見えますが、
仕組みそのものはネズミ講と変わりません。
それにしても、インターネット接続用の端末に、
なぜ50万円ものお金を出せるのかというところが気になりますが、
これには理由があります。商品の内容は別として、
50万円の商品を一括で購入するのは難しくても、
分割払いなら購入できるという人は少なくないと思います。
この手口の場合、信販会社を利用したクレジット契約も
用意されており、「参加すれば儲かる」と信じている人は、
お金が入ってくるのだから、分割払いで購入しても大丈夫!
という気持ちになってしまってもおかしくありません。
この手口についてご相談に来られた方は、契約をして、
商品が届いたものの、内容がよく分からないので開封もしていない。
しかし、クレジット契約を締結したので、毎月数千円ずつ
引き落としがされていて、15万円くらい支払ってしまった。
契約の取り消しは可能か?ということで、ご相談に来られました。
この方の場合、「頑張れば毎月140万円以上が手に入る」
などの台詞で、知人を含む4人に執拗に契約を迫られて、
仕方なく契約を締結したということでした。
一般的なクレジット契約について取り締まる
「特定商取引法」という法律では、販売や契約の方法に
問題があった場合、契約を解除することができますので、
この方は支払いを止めることができました。
このメルマガをいつも読んでいただいている
皆さんならお分かりと思いますが、
世の中に、上記のようなウマイ話はありません。
おかしな誘いが来たら、きっぱりと断る、無視するという
強い態度で臨むことが大切です。