「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
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気が付けば、2011年も残すところあとわずか。
子どもたちにとっては、心躍るクリスマスやお年玉のシーズンです。
色々と欲しいものがある子どもたちにとっては、
この時期がもっとも嬉しい時期なのかもしれません。
浮かれていると、お金で失敗するのは子どもだって同じこと。
大人がしっかりと注意してあげなければいけません。
そこで今回は、未成年者とショッピングのお話です。
昔は考えられなかった、未成年者のショッピングに関する事件を
数多く見聞きするようになりましたが、
その原因のひとつに、インターネットの普及があります。
パソコンや携帯電話から、ボタン一つで簡単に
高額な商品を購入できたり、サービスを購入できたりすることから、
軽い気持ちで購入・利用してしまうというケースが増えているのです。
たとえば、少し前に大きな問題となったのは、
携帯電話で遊べるゲームの利用料金です。
「無料でゲームができる」といった広告をきっかけに
ゲームのサービスを利用した子どもたちが、
気付かないうちの無料の範囲を超えた有料サービスを利用し、
高額な請求が突然やってくるという問題が起きました。
ゲームそのものはたしかに無料で楽しめても、
ゲームに必要なアイテム(魔法が使える、武器が使える...など)は
有料になっているケースがあり、子どもたちは知らず知らずに
購入しているといったことが起こっていたのです。
また、ゲームの利用料金やアイテムの料金などは、
携帯電話の料金に合算して請求されることもあり、
「携帯電話でサービスを購入している」ということが
分かりにくくなっていることも問題です。
携帯電話会社が、ゲーム等のサービス利用料金の収納を代行し、
携帯電話会社から数万円もの請求書が送られてきて、
親は初めて何が起こっているのかが分かる...ということになります。
そのような問題がかなりの数に上ったことで、
国民生活センターなどへ苦情が相次ぎました。
法律では、未成年者が親の同意なくした買い物は、
原則として取り消すことができると定められています。
「原則として」とお話ししたのは、取り消せないこともあるからです。
取り消しができない場合の例は、
一部でも料金を払ってしまった場合です。
お金を払ったということは、
物品やサービスの購入を認めたということになるからです。
本来は取り消すことができる行為であっても、
法律的には「追認」したということになり、取り消せなくなります。
ただし、携帯電話のゲームで使用するアイテムなどの場合は、
現物のないバーチャルなものですから、きちんと話をすれば
取り消しには応じてもらいやすいはずです。
次回も、未成年者とショッピングの問題についてお話しします。