「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
介護職員の方もたくさんおられ、介護サービスの質も高い
有料老人ホームの入居費用の支払い方法については、
大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目のタイプは、最初に「入居一時金」として、
まとまった金額を支払い、月々の支払いを抑えるというタイプです。
2つ目は「入居一時金」がなく、全額を月払いで支払っていく
というタイプです。
前回の最後にお話しした、入居者1名に対して職員1.25人という
手厚い介護をしてもらえる有料老人ホームは、
まとまった金額の入居一時金を支払わない場合、
毎月の支払い額は約70万円にもなります。
1ヶ月の支払いが70万円と聞くと、驚かれる方も多いと思いますが、
入居者に対するサービスは本当に手厚いもので、
まさに至れり尽くせりといったものになります。
入居一時金を支払えるという方の場合は、入居一時金が約3600万円。
毎月の支払いが約17万円になるということでした。
ですから、これまでの貯蓄や退職金を使ったり、
現在の住居を売却するなどして入居一時金を支払い、
毎月の支払いを年金でカバーするというのが、
理想的なカタチになるのかもしれません。
数千万円の入居一時金を支払ったものの、何らかの事情で
短期間のうちに施設を退去することになった場合、
払い込んだお金はどうなるのかといった心配もあるかもしれません。
そのような場合を見越して、償却期間というものが設けられています。
たとえば、6年間で3600万円を使い切ることとし、それまでに
退去した場合は年数に応じて、一部の金額を返金するといった
システムになっています。したがって、6年以上入居するのであれば、
あとはいつまでも毎月17万円で暮らせるということになります。
ですから、やはり元気で長生きをすれば、
それだけ得をするということになりますね。
ちなみに、その施設の担当者の方にお話を伺ったところ、
6年という償却期間を過ぎて入居している方は、
全体の半数になるとのことでした。
このようなタイプの施設に入居する際には、数千万円という
大変な金額を支払うことになりますから、やはり検討の際は
慎重に慎重を重ねることが大切です。パンフレットなどの案内を
見てみますと、毎月の利用料なども詳しく説明してあります。
しかし、ただ単に金額だけで比較するのではなく、
利用料の中にどんな項目が含まれているのかといった点にも
注意しておきましょう。
「入居料と食費は別」「要介護の場合、おむつの費用は別」など、
調べてみなければいけない点はたくさんあるのです。
小さなお金の積み重ねが、後で大きく影響してくることは
今までの生活と同じです。とにかく慎重に検討されることが大切です。
もっとも良い施設選びの方法は、実際に施設を訪問し、
自分の目で確かめて、職員の方に質問をするという方法です。
施設の雰囲気、他の入居者がどんな方なのかといった点を
しっかり掴んでおきましょう。施設で出される食事を試食する
こともできる場合もあるので、そういった機会を活かしましょう。
何よりも見ておきたいところは、職員の方々の印象・表情です。
職員の方々がいきいき働いていらっしゃる施設であれば、
幸せな老後を送れる可能性も高くなるはずです。
4回にわたって介護施設に関するお話しをさせていただきましたが、
老後の問題について、色々と見て、聞いて、考える必要があることが
お分かりいただけたかと思います。
何度も繰り返しますが、老後の準備はいつ始めても、
決して早すぎることはありません。安心して老後を過ごすために、
「老い支度」は早めに取りかかるようにしてください。
私たちにご相談いただければ、しっかりサポートさせていただきます。