「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
通勤・通学や買い物に欠かせない乗り物の一つが、自転車です。
最近は、趣味で自転車に乗る方も増えているようで、
いたるところで自転車に乗っている方を見かけるようになりました。
子どもから大人まで、誰もが気軽に乗れる自転車ですが、
実は、法律上はクルマとほぼ同様の扱いがなされます。
大きさもスピードも違いますし、運転免許の必要性という点でも
まったく異なる自転車とクルマが、なぜ同列に扱われるのでしょうか。
まず、ここでいう法律とは、
人々が道路を安全に利用するために定められた法律である、
「道路交通法」のことを指しています。道路交通法では、
自転車もクルマも、同じ「軽車両」という扱いになります。
ですから、お酒を飲んで運転したり、他人に迷惑をかけながら
走行したりした場合は、罰則の対象となることもあります。
お酒を飲んで、ほろ酔い気分で自転車を運転していたような場合は、
クルマと同じで「酒気帯び運転」となり、
「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」という大変重い罪となります。
また、夜間によく見かける、ライトを点けずに走行している自転車ですが、
無灯火で自転車に乗っていた場合は「5万円以下の罰金」となります。
実際のところ、そこまで厳しく罪に問われるようなことは
滅多にありませんが、本来はそのような罰則が設けられている
ということは、認識しておく必要があります。
罰則の有無に関わらず、出来る限り気を引き締めて、
自転車に乗るようにしたいものです。
最近は、自転車と歩行者、自転車と自転車、自転車とクルマ...と、
自転車が関係する事故が増えており、自転車による事故が
社会的に大きな問題としてクローズアップされるようになっています。
自転車は誰でも気軽に乗れる、とても便利な乗り物ですが、
普通に乗っていても時速20km程度のスピードが出てしまいますし、
非常に不安定でもあります。さらに、雨・風などの影響も受けやすく、
荷物を載せていたりすると、思うように運転できないこともあります。
自転車は、そのような乗り物であるため、他人に迷惑をかける
危険性が非常高いことを念頭に置いて利用するようにしましょう。
自分だけが転んでしまうだけならまだしも、他人に怪我を負わせる
ようなことになった場合、何百万円~何千万円という高額な
賠償金を支払わなければならない場合もあるのです。
クルマに乗っていて、そのような事故を引き起こしてしまったら、
強制的に加入している自賠責保険や、任意で加入している
損害保険で賠償金を工面することができますが、
自転車の場合、そうはいきません。
自転車で他人に怪我を負わせてしまう、
あるいは、死に至らしめてしまう可能性は、
クルマやバイクに比べると低いかもしれません。
ところが、万が一の事態に陥った際に、
自らにより深刻な経済的影響が出てくるのは、
むしろ自転車のほうであるということを認識しておくべきでしょう。
他人に怪我をさせてしまったような場合、クルマよりも
自転車のほうが、賠償責任が軽いなどということはないのです。
自転車だけでなく、クルマも利用されるという方でしたら、
自動車保険に付帯できる特約を調べてみましょう。
自転車の事故もカバーできる特約があれば、万が一に備えて
付帯しておくことをおすすめします。
次回のメルマガは、自転車に関する法律とマナーのお話しです。