「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
前回に引き続き、金融商品取引法についてのお話です。
現在、市場にはさまざまな金融商品が登場しており、
販売の手法や窓口も多彩になってきています。
たとえば、投資信託であれば、以前は証券会社の窓口でしか
購入することができませんでしたが、現在では銀行や郵便局でも
購入できるようになっています。
これも、投資家保護を目的とした金融商品取引法によって、
金融商品の販売に関するルールが定められたことによる影響です。
しかしながら、投資信託に限らず、金融商品の販売・購入にあたっては、
事前に資産の状況などについて事細かにヒアリングが行われます。
その結果、金融商品の販売に適しているかどうかの判断が下され、
ようやく購入することができるのです。
金融業者の立場からすれば、金融商品の購入を
強く希望している人がいたとしても、その人にとってリスクが
あまりにも大きいような状況では、販売できないということになります。
先ほどからお話ししています通り、金融商品の購入にあたっては、
証券会社や銀行、郵便局の窓口などで、商品についての説明を
しっかり受けることになりますが、すべての人が説明の内容を
完全に理解できるとは限りません。
書面を隅々まで確認するといっても、難解な説明やリスクに関する
注意事項などが、小さな文字で書いてあることもあって、
まだまだ改善の余地があるように思われます。
ただし、投資はあくまでも自己責任ですから、分からないこと、
不安なことはきちんと分かるまで説明を受けるようにしましょう。
そして、余裕を持った投資を行うことが何よりも大切になります。
窓口での説明を自宅でも繰り返し聞きたいといった場合や、
説明の不備があったりした場合の備えが欲しい、ということでしたら、
レコーダーなどで説明を録音しておくことも一つの手です。
録音をする場合は、窓口の方に予めその旨を伝えておくほうが
良いかもしれませんが、黙って録音していたからといって、
後に問題になることはありません。
金融商品取引法の制定によって、販売の際の説明も慎重かつ丁寧に
行われるようにはなっていますが、
やはり「商品の販売」であることには変わりありません。
ですから、担当者に悪気が無かったとしても、
リスクよりメリットの説明に重点が置かれることもあるでしょうし、
説明を受ける私たち自身も、メリットばかりに注意が傾いてしまう
ことがあるかもしれません。
購入にあたっては、普段の買い物以上に冷静な判断が必要ですね。
最後に、金融商品の勧誘について知っておいていただきたい
ことがあります。以前ですと、商品先物取引などの金融商品の勧誘は、
電話や訪問で当たり前のように行われていましたが、現在では
顧客からの要請がない限り、電話や訪問での勧誘をすることができません。
※すべての勧誘が規制されているわけではありません。
また、商品先物取引などのハイリスク・ハイリターンの商品は、
「一度でも断わられたら、二度と勧誘してはならない」
と定められています。万が一、執拗な勧誘に悩まされるような
ことがあった場合は、金融庁の窓口などに相談してみましょう。