「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
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金融商品取引法は、今から5年前の2006年にできた法律です。
この法律ができる以前にも、金融商品ごとに法律が定められていました。
金融商品取引法は、それらをひとつにまとめる意味で作られた法律です。
新しい年を迎えても、まだまだ経済の先行きが
不透明な状況ですが、少し前の日本では、株式投資で利益を得た
という方も少なからずいらっしゃいましたし、
最近でもFXなどでお小遣い稼ぎ...といった方もいらっしゃいます。
国としては、眠っているお金を市場で活用して欲しい
という考えを持っており、「銀行に貯金をするよりも、
どんどん投資をして欲しい」というのが本音のようです。
しかし、投資をするということは、値動きなどのリスクもありますから、
投資をすれば必ず利益が生まれるものというものではありません。
そこで、一般の投資家の方々が、少しでも安心して投資ができるように
ということで、制定されたのが金融商品取引法なのです。
投資家を保護するための法律である金融商品取引法は、
一般の投資家が安全に金融商品の取引を行えることを目的に
制定された法律で、これまでの法律に比べると、
規制の対象となる金融商品が増えています。
また、預金や保険についても、投資性のある一部の商品
(例:外貨預金や変額年金保険など)の場合、
販売・勧誘のルールが強化されています。
金融商品を取り扱い、投資家を勧誘しているのは、
証券会社や銀行、郵便局といった「金融のプロ」です。
そういった人たちに対しては、事業者としての的確性の規定が設けられ、
登録しなければ金融商品の取扱いができなくなりました。
さらに、金融商品の販売・勧誘についての行為ルール、
広告での表現などに厳しい規制が設けられるようになりました。
たとえば、金融商品の販売に向いていない人に対して、
無理矢理に販売してはいけないというようなきまりもあります。
また、「大丈夫です!絶対に儲かります!」などといって
勧誘することは許されない行為とされています。
値動きのある金融取引に、「絶対」という言葉はまずありません。
「絶対に儲かります!」といって、利益が生じることが
確実であるかのように語って勧誘した場合は、
「断定的判断の提供の禁止」というルールにひっかかるのです。
では「絶対」ではなく「たぶん...」「きっと...」などの
曖昧な表現なら良いのか?ということですが、
金融商品の勧誘の際には、書面での説明が義務づけられています。
投資信託などを購入された経験をお持ちの方なら
ご存知かと思いますが、分厚い目論見書を確認したり、
各種重要事項の説明などがあったりした上で、最後に
「全部確認しました」と署名をするという段取りになっています。
これは本当に厳格なもので、
「この説明を受けたのは、○年○月○日○時○分...」
といったことまで記入するほどなのです。
しかしながら、それだけの保護を受けているから、
どんな金融商品を購入しても大丈夫!という訳ではありません。
法律で定められたルールに沿った勧誘・販売・説明を
受けた訳ですから、最終的には「自己責任」が求められるのです。