「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
住宅ローンが払えなくなり、住まいが競売にかけられる...
といった状況になっても、約1年間はそのままマイホームに
住み続けることができるというお話をしました。今回は、
その1年の間にしておくべきことからお話ししましょう。
猶予期間ともいえる1年程度の間に、賃貸住宅に移るための
引っ越し費用や保証金などを、しっかり貯めておきましょう。
また、裁判所の手続きによって、マイホームの落札者が
決まるまでの間は、債権者の合意さえあれば、
自分の売りたい相手にマイホームを任意売却することもできます。
1年という期間を利用して、生活再建に向けた準備をしながら、
マイホームの処分の仕方を検討すれば良いのです。
任意売却の場合、賃貸住宅への引っ越し費用や保証金などを、
買った人に払ってもらうという交渉をすることもできます。
引っ越し費用は20万円程度を支払ってもらうことができるようです。
「住宅ローンが払えない!」という風に追い詰められたとしても、
どうにか解決する方法はありますので、ひとまず立ち止まって、
冷静に考えてみることが必要です。
一番良くないのは、目の前の支払いに必死になってしまい、
借金を増やしてしまうということです。
消費者金融に駆け込んだり、カードローンを利用したりすると、
余計な借金を増やしてしまうことにしかなりません。
住宅ローンの金利は、いくら高くても4~5%程度ですが、
カードローンの金利は18%などとなっています。
低金利の住宅ローンの支払いのために、高金利のカードローンを
利用するというのは、実におかしな話です。
軽い気持ちで利用したカードローンを返すために、
別のカードローンを使うということも考えられます。
借金が借金を呼ぶ、泥沼の状態に陥ってしまいます。
払いきれないほどの住宅ローンの金額は大きいのですが、
その支払いの方法や金額に関しては、
債権者との話し合いで解決できることもあります。
債権者としては、少しでも多く回収したい気持ちはありますが、
無理矢理に全額を回収しようということまでは考えていません。
住宅ローンの残債務については、銀行や保証会社は
不良債権として処理するために、債権回収会社にまとめて
処理を依頼することが多くなります。
残債務を一括で返済できる場合には、債権回収会社との交渉によって、
大幅に減額してもらうことも見込めます。しかし、残債務を一括で
返済することが難しい場合は、民事再生や自己破産といった
債務整理の手続きを利用して、債務を圧縮したり、ゼロにしたりして、
生活再建を目指すこともできます。
いずれの場合も、弁護士に相談していただくことで、
解決の道筋がきちんと見えてきますので、住宅ローンが払えなくなった
といって、絶望してしまう必要はありません。
払えなくなったからといって、すぐに追い出されてしまうことも
ありませんから、いざと言うときには冷静になって、
正しい決断を下すことが大切です。
現在、銀行などの金融機関では、住宅ローンの支払いに関する
相談を積極的に受け付けていますので、住宅ローンでお困りの方は、
まずは金融機関に相談されるのが良いでしょう。
次回も、暮らしに役立つ身近な法律の話題をお届けします。