「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
先週に引き続き、旅行に関するトラブルについてのお話です。
たとえば、楽しい思い出を残すはずの旅行先で、盗難や事故といった
予期せぬトラブルに遭遇した場合、どうすればよいのでしょうか。
そういったトラブルを事前に見越して、旅行保険などに加入する方も
いらっしゃると思います。旅行会社が主催する旅行ですと、
旅行の最中に事故に遭遇したり、荷物に何らかの損害を被った場合、
一定額の「特別補償」というものが利用できるようになっています。
最悪の事態が発生し、死亡してしまったという場合には、
2500万円の特別補償を受けることができます。
ただし、この特別補償に関しては「フリータイムは除く」などの
条件が定められていることが多いので、事前に確認しておきましょう。
病気などの不安までもカバーしようということであれば、
やはり、旅行保険に加入されることをお勧めします。
旅行代金をクレジットカードで支払った場合には、
旅行保険のサービスを受けられることもありますので、
ご自身のクレジットカードにそのようなサービスが付帯されているかを
確認してみると良いでしょう。
旅行のトラブルで多いのが、キャンセル料に関するトラブルです。
広告などを見て、電話などで旅行の「予約」をしたとします。
ところが、都合が良くなかったことを思い出したため、
泣く泣く予約をキャンセルすることになってしまいました...。
その時点では、申し込み金や旅行代金を支払っておらず、
順番や席を確保するための「予約」をしただけの状態ですので、
キャンセルをしてもキャンセル料は発生しません。
また、国内旅行の場合に多いのが、旅行会社などを通さずに、
ホテルや旅館、交通機関などを申し込むというケースです。
そのような場合に、電話などで問い合わせを行った際に、
「○月○日までにお支払いがないと、キャンセル料が発生します」
といったことを伝えられていない限り、たとえ旅行当日にキャンセルしても、
キャンセル料は発生しないことになっています。
国土交通省が定める標準約款によると、前々日までのキャンセルであれば、
キャンセル料はかかりません。前日のキャンセルであれば20%、
当日のキャンセルであれば全額を支払うこととなっています。
ただし、ホテルや旅行会社が独自に定めるキャンセル料がある場合は、
それに従うことになります。
稀なケースですが、「予約」の電話をしただけで、申し込み金や
旅行代金の支払いをしないままに月日が流れていき、
旅行当日に集合場所に到着してからようやく...
「申し込みを受け付けておりません」
と言われたという信じられないトラブルもあるようです。
「予約」と「申し込み」では重みが全く違ってきますので、
そこを理解しておけば、ある程度のトラブルは防げそうです。
これから旅行に出かける方は、トラブルへの備えも万全にして、
楽しい思い出を作ってくださいね。