「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
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まだまだ残暑が厳しい日が続きますが、もうすぐ秋がやってきます。
秋といえば「旅行」のシーズンですね。楽しいことがいっぱいの旅行も、
さまざまな場面で、トラブルに遭遇することがあります。
普段はあまり意識されていないかもしれませんが、
旅行会社に対して旅行の申し込みをすることは、
商品を購入する際の「契約」を結ぶことと同じです。
「グルメと温泉ツアー」「ハワイ5日間の旅」などのパンフレットを
ご覧になっていただくと、「2日目は美術館巡り」「高級料亭で懐石料理」
「○○ホテルに宿泊」「飛行機は○○航空」などの記載があると思います。
また、パンフレットの裏表紙などに、細かい文字でびっしりと書かれた
「旅行約款」が掲載されているはずです。
それらすべてが、「その旅行に関する契約」ということになっています。
ですから、旅行に申し込むということは、パンフレット等の
記載内容などに納得・了解し、契約をしたということになります。
万が一、当初の予定とは異なるコースを回ったり、
料理やホテル、飛行機が違うといったようなことになれば、
パンフレット等の記載事項をもとにトラブルを解決していきます。
ですから、旅行に行く前後には、パンフレット等に記載されている内容を、
しっかり確認しておくことがとても大切です。
次に、旅行の申し込みをする前のチェックポイントをご紹介します。
まず、旅行のパンフレットから、どの会社が企画・実施しているのかを
確認しておきましょう。また、旅行協会やボンド保証制度に
登録しているかどうかもチェックしておく必要があります。
通常、旅行の代金は前払いになりますが、もしも旅行会社が営業停止や
倒産などのトラブルに見舞われても、それらに登録していれば、
事前に支払っていた申し込み金や旅行代金が戻ってきます。
パッケージツアーなどの場合は、旅行の申し込み時に「申込金」を支払い、
その後、旅行代金の全額を支払うというのが一般的です。旅行の場合、
申し込み金を支払った時点で「契約の締結」ということになりますので、
覚えておくと良いでしょう。
申し込みをした時点では、「Aクラスのホテルに宿泊」
「飛行機は○○航空または△△航空」といったように、
未確定の要素があることもあります。それらについては、
最終の日程表に書かれている内容で「確定」ということになります。
したがって、最終の日程表に書かれていない場所に行ったり、
サービス内容が違っている場合は、クレームを申し出ることもできます。
契約時の内容に比べて、大幅に旅行の内容が異なるような場合は、
旅行代金の数%を返金しなければならないということになっています。
通常ですと、返金されるのは1~2%くらいですが、出発後の
急な変更の場合は通常の2倍程度が返金されることになります。
そのほかによくあるパターンとしては、
「宿泊先のお風呂で、シャワーが出なかった」といったトラブルです。
「言葉が通じないから我慢しよう」「何かの思い出になるかも...」と、
我慢をする必要はありません。もしも旅行の内容や変更に納得がいかない、
小さなトラブルに遭遇したといった場合は、ただちにその旨を添乗員や
旅行会社に申し出るようにしてください。
※当然ながら「期待外れだった」などはクレームとして認められません
旅行が終わってからしばらく経って、思い出の写真を眺めながら、
「あの時、そういえば...」ということでは、
トラブルの解決までに余計な時間がかかることになります。
次回も、旅行にまつわるトラブルについての話題をお届けします。