「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
先週に引き続き、結婚を目指して積極的に活動する
「婚活」にまつわるトラブルについてのお話しをしていきます。
最良のパートナーとの出会いを求める場合に、よく利用されているのが
インターネットの「出会い系」サイトといったものです。
安全性にも配慮し、健全な運営を行っているサイトもありますが、
なかには、悪質な利用者・運営者がいるものもあるので、
利用する際には十分に注意する必要があります。
そういった点を考えると、会員数も多く、歴史や知名度のある
結婚相談所を利用するほうが安心かもしれません。
きちんと運営されている結婚相談所であれば、入会する人が本当に
本人であるかどうかの確認をしっかり行ったり、収入証明書や大学等の
卒業証明書の提示を求めたりするなど、入会への条件がある程度
厳格になっているので安心です。
そういった安心できる条件が整っているところで、
納得できる料金設定がなされているのであれば、
最良のパートナー探しに利用する価値はあるかもしれません。
昔はご近所に"世話焼きおばちゃん"がいたものです。
世話焼きおばちゃんの紹介などで、パートナーを見つけるというケースも
少なからずあったようですが、今ではそんな話も聞かなくなってきました。
現在でも稀にそのような紹介の方法があるようですが、
必ずしも親切心だけで紹介をしている訳でもない場合もあります。
幅広いネットーワークのようなものを構築し、
パートナー選びをしている人たちについての情報交換をしながら、
あたかも事業者のように紹介を請け負っている...
そんな現代の世話焼きおばちゃん達も存在しています。
「おばちゃんが紹介してあげるから...」ということで話を聞いてみると、
入会金や紹介料が5万円と言われたり、聞いていた話とまったく違う
相手を紹介されたりといったこともあるのです。
入会金や紹介料などを請求された場合、
それを支払うかどうかは本人が納得できるかどうかの問題ですが、
「聞いていた話とまったく違う相手を紹介された」
「後になってとんでもない事実が発覚した」などという場合は、
「不実告知」「断定的判断」「不利益事実の不告知」などにあたります。
そうなってくると、消費者契約法の問題になってきます。
「ウソ」「大げさ」「不確実」な情報を提供することは、
消費者保護法でいう「契約等の取り消しなどの事由」にあたります。
お金を払っていなかった場合はともかく、紹介料などを支払っていた
場合には、法的トラブルにつながるほどの問題になってきます。
では、素人のおばちゃん達が、ネットワークを構築して、
紹介業のようなことをするのは「違法」なのか?といえば、
そうではありません。会社組織として運営しなければならない
といったきまりなども、とくに存在していないのです。
おばちゃん達の紹介サービスの場合、
成功報酬が基本になっている場合が一般的なようです。
「お見合いできれば○万円」「結婚できれば○万円」といった具合です。
ただし、その場合の「成功」がどの段階を指すのかが問題です。
婚約・結納・結婚といった段階に至って、
初めて成功報酬を支払うということであれば安心なのですが、
この先どうなるか分からない「お付き合いがスタート」という時点で
「成功報酬○○万円をいただきます」と言われても、困ってしまいます。
婚活にまつわるサービスを利用する際には、
契約内容を事前にきちんと確認しておくようにしましょう。
インターネットなどのサービスを利用する場合には、
料金体系や契約の方法などについて注意するだけでなく、
個人情報の取り扱いなどの安全性についても注意するようにしましょう。
最良のパートナーとの出会いを求めて契約したはずが、
悪徳業者とお付き合いをすることになるようでは、
大切なお金も時間も無駄にしてしまうことになります。
パートナー選びと同様に、業者・サービス選びにも、
慎重になる必要がありますね。