「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
最近、テレビや雑誌などでよく耳にする言葉の一つが「婚活」。
理想の結婚相手を見つけ、幸せな結婚を実現させるために、
積極的に出会いの場に参加したり、自分磨きをしたりすることを
表す言葉のようです。
そんな言葉が生まれる背景となっているのが、女性の晩婚化です。
一昔前まで、20代前半から20代半ばくらいで結婚する女性が多かった
ように思いますが、最近は30代で結婚することも当たり前です。
さらには、結婚をしない女性も増えているようです。
それは、女性の社会進出が進んでいることが影響しているのでしょうし、
「草食系男子」と形容されるような男性が増えていることも
関係しているのかもしれません。いずれにしても、結婚を取り巻く環境は
大きく様変わりしており、熱心に婚活に取り組む人は、
男女問わず増えているようです。
具体的に婚活といえば、料理教室に通ったりすることから始まり、
理想のパートナーを見つけるために、結婚相談所に入会したり、
コンパやお見合いパーティーに参加したりするといったことのようです。
とくに、出会いの機会がなかなか見つからない人の場合、
結婚相談所などのサービスを利用することが多いようですが、
そこに大きな落とし穴が待っていることがあります。
理想の結婚相手を紹介してくれるといったサービスがありますが、
インターネットやハガキで申し込みをすると、
同じようにそれらのサービスの利用登録をしている異性の情報を、
提供してくれたりします。
提供された異性の情報を閲覧しながら、この人とお見合いをしたい、
この人を紹介して欲しいといったリクエストを出したりして、
サービスの利用契約を締結し、婚活動を開始することになります。
ところが、興味を持った人との出会いを期待して、サービスの利用を
開始したとしても、「実際には誰も紹介してもらえなかった」という
ケースも続出しています。
理想のパートナーとの出会いは、まさしく「縁」のものですから、
出会えなかったことに関しては、仕方のないことかもしれません。
しかし、問題になるのは、サービスの利用にあたって、
多額の入会金や会費などが発生することです。
「入会時に100人の異性のデータを提供してもらったが、
結局は実際に誰とも出会うことはできなかった」といった場合、
「ただちに解約するので、入会金を返してほしい」という気持ちに
なることも理解できます。しかしながら、このような場合、
「既にサービスとして100人のデータを提供しているので、
解約はできません」という返答が返ってくることが多いのです。
「誰も紹介してもらえなかった」ということに納得はできませんが、
だからといって「詐欺」にあたるかといえば、難しくなります。
ただし「必ず紹介します」「出会えるまでサポートします」といった
宣伝文句を使っていた場合ですと話は別です。
少なくとも「誇大広告」をしているとみなすことができそうです。
ただし「入会金を返して欲しい」という訴えを起こすのであれば、
相当な労力が必要になってくるのは間違いありません。
「お相手が見つかるまでの間は、紹介を続けますよ」
といったサービスであれば、しばらくサービスを利用した後に、
契約を打ち切るといった対応もできます。
費用は全額前払いで、「紹介人数は○○○人まで」
といった契約でしたら、最初に契約通りの人数を紹介されていれば、
業者は義務を果たしたことになるため、
入会金等の返還請求をすることはできません。
この手のサービスを利用しようとする際は、まず最初に、
サービス内容や契約の方法をよく調べることが大切です。
次回も、婚活にまつわるトラブルについての話題をお届けします。