「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
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今年もいよいよ、本格的な夏がやってきます。
この時期になると「お中元」を受取る方も少なくないと思います。
心のこもった贈り物が届けば、とても嬉しいものですね。
親しい人からの贈り物だけが届くと良いのですが、
見ず知らずの他人から、悪意に満ちた小包が送りつけられる
といったこともありますので、ちょっとした注意が必要です。
各地で開催される市民の法律相談会などに参加したとき、
ご相談いただくことが多いのが「詐欺」の被害についてです。
何十万円、何百万円という被害ではなく、
数万円という被害でのご相談が目に付きます。
身近な場所に、小さな"落とし穴"がたくさんあるということです。
少し前にあった手口ですが、流出したと思われる顧客名簿に
掲載されていた高齢者をターゲットに電話をかけて会話を交わした後、
いきなり商品を送りつけ、商品代金を騙し取るといった事件が発生しました。
このような犯行の手口を「送りつけ商法」といいます。
送りつけ商法の場合、送られてきた商品を使ったり、食べたり、
処分したりすると、購入を承諾したとみなされる可能性がありますので、
十分に注意しておきましょう。
それでは、注文した覚えのない商品が届いた場合、
どのように対処すれば良いのでしょうか。
まず、注文をしていないにも関わらず届いた商品の代金は、
支払う必要がありません。また、送り返す義務もありません。
ただし、商品はその時点で「業者の所有物」ということになりますから、
勝手に処分してはいけません。かといって、欲しくもない商品を
何日も手元に置いておくわけにもいきません。
業者に引き取るように連絡をした場合は連絡をした日から7日間、
連絡をしない場合は14日間の保管義務がありますので、
その間は手を付けたり、処分したりしないようにしましょう。
その期間を過ぎれば、使っても、食べても、処分しても構いません。
また、商品の引き取りの連絡をした際に、業者からお金を払うように
言われた場合、素直に支払ってはいけません。
「注文していませんから」とハッキリ断るようにしましょう。
そこで不安になって支払ってしまっては、相手の思う壺です。
「商品を送り返して欲しい」と言われても、そんなことをする
義務はありませんので、相手にしないことが大切です。
もっと巧妙というか、悪質な業者になると、商品代引きで商品を
送りつけてくる場合があります。「家族の誰かが注文したものだ」
と勘違いして、代金を支払ってしまうこともあるかもしれません。
何かを注文したり、商品が届くようなことがあれば、
家族の間に周知しておくようにすれば良いでしょう。
代引きで支払ってしまった代金は、取り戻すのも大変です。
たとえ代引きでも、あきらかに頼んでいないものである場合には、
受け取りそのものを拒否しましょう。