「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
前回に引き続き、身近な時効についてのお話です。
前回は飲食代金などについては、1年で時効を迎えるという
お話しをしましたが、給料や残業代の支払いに関する時効は、
飲食代金などの2倍の2年と定められています。
ここ数年の間に、何度もニュースに取り上げられ、
最近とくに大きな話題になりつつあるのが「残業代の未払い問題」です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
何年にもわたってサービス残業を続け「もう我慢できない!」
となった場合、会社に対して未払い残業代を請求できます。
それは労働者の正当な権利ですから、泣き寝入りをする
必要はありません。しかし、未払い残業代の時効は2年ですので、
実際に請求できる未払い残業代は「過去2年分まで」
ということになりますので、気を付けておきましょう。
何年も前の給料や残業代となると、立証が難しくなります。
一般的に、未払い残業代を立証する場合、タイムカードなどの
証拠が必要になってきます。そのほかに証拠となり得るのは、
メールやFAXなどの送受信履歴、会社の入退室記録、
車両の運行記録などが考えられます。
いずれにしても、未払残業代の請求をお考えの方は、
できるだけ早くご相談にお越しになることをおすすめします。
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未払い残業代についてお困りの方は、当事務所の運営サイト
【 未払い残業代請求ナビ 】を参考になさってください。
https://www.zangyo-navi.com/
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そのほかの身近な時効の例を挙げてみますと、
退職金は5年、地代・家賃も5年となっています。
家賃を5年も支払わないでいることなど、
現実的には考えられない話ではあるのですが...。
私たちの身の回りには、
色々な時効があることが分かったと思いますが、
どうしても気になるのは「お金に関する時効」かと思います。
前回は個人間でのお金の貸し借りについての問題について
お話ししましたが、消費者金融などの貸金業者との
お金の貸し借りの場合はどうなるのでしょうか。
貸金業者との間では、最後にお金を返済してから
5年で時効を迎えることになります。
極端な例で言いますと、最後の返済をした直後にどこかへ逃亡し、
そのまま5年間が経過したとすれば、
その借金は時効を迎えることになります。
ところが、そんなに甘くもないのが実際のところで、
貸金業者が裁判を起こして判決を得ている状態であれば、
時効を迎えるまでに更に10年が必要になります。
ですから、5年も逃亡すれば借金も時効だ...
ということにはならないケースも多いと思います。
このような極端な例は除外するとして、
やはり、借りたお金はきちんと返すことが必要です。
ただし、時効を迎えている可能性があるのでしたら、
権利を主張できるときにしておかないと、
後になって「あのとき時効だったはず...」ということはできません。
一般的に時効を主張する場合は、
内容証明郵便を利用する方法が確実です。
次回は金融業者からの借り入れと時効について、
実際にあった事例をもとにお話をしたいと思います。