「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
東北地方太平洋沖地震で被災された皆様、
ご家族、友人の方が被災された方々には
心よりお見舞い申し上げます。
阪神大震災を経験した私にとって、
被災地の方々には長期的な支援が
必要かつ不可欠なものであると痛感しております。
私の方でも何か支援できないか考えていきたいと思います。
さて、私は昔から動物が好きで、ペットショップへ足を運び、
可愛い犬を見ることがあります。
「柴犬もカワイイけど、トイプードルも良いなぁ...」
などと考えながら、愛くるしい子犬たちの姿を見ていると、
すぐにでも家に連れて帰りたくなってしまいます。
ペットショップで一目惚れしてしまった犬や猫などの
動物を連れて帰り、しばらく一緒に過ごしてみたものの、
「...何かが違う」といったことがよくあるようで、
随分と前から飼い主のモラルが問題視されています。
「思ったより大きくなってしまった」
「家族に懐いてくれない」「ご飯代や病院代などが高額になる」
などといった事態に直面し、飼育を諦めてしまうことになると、
連れて帰る時には想像もしなかった、深刻な悩みに直面します。
「飼えなくなったので、自宅から離れた場所に捨ててしまう」
といった非常に残念なことが多発しているようですが、
ペットの飼育に関わる法律も、もちろん定められています。
「動物愛護法」という法律をご存知の方も多いと思います。
動物愛護法は、動物の保護と、適切な管理を目的とする法律です。
ペットは言うまでもなく「生き物」であり、無責任に飼育することは
許されません。また、ただ単に可愛がっていれば良いということではなく、
他人に迷惑をかけるような飼い方をすることも許されません。
ペットの健康状態や、飼育環境の衛生状態への気配り、
さらには虐待をしてはいけないといったことについての
さまざまな決まりが定められています。
もちろん、法律に反する行為があった場合には罰則もあります。
この場合、一般的なペットの類だけでなく、
牛や豚、アヒルなどの家畜も対象になっているのですが、
これらをみだりに傷つけたり、命を奪ってしまったりすると、
「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という
重い刑罰が科されることになります。
エサや水をやらない、捨ててしまうなどの行為をした場合には、
50万円以下の罰金が科せられることになっています。
ペットを飼う際には、きちんと責任を持って、
最後まで面倒を見られるかを熟考すると共に、
そのような法律があるということも、知っておきましょう。
動物愛護法のほかにも、動物やペットの保護に関する
法律が定められています。民法718条では、飼育しているペットが
他人に迷惑をかけた場合、それについての賠償責任を負う
ということになっています。
よくあるケースが「鎖を付けていなかった隣の犬に手を噛まれた」
といったものですが、たとえ鎖が付いていたとしても、
簡単に接触できるような場所に犬がいたといった場合ですと、
危険を回避できないため、何かあった場合は飼い主の責任になります。
もう一つ、マンションやアパートなどの集合住宅で
ペットを飼う際の問題もあります。
たとえば、マンションの管理規約に「ペット禁止」となっていたにも
関わらず、ペットを購入・飼育していた場合はどうなるのでしょうか。
まず、規約を破ってしまっていることから、
管理組合を通じて、飼い主に厳重な注意がされることになるはずです。
賃貸マンションの賃貸借契約書に「ペット飼ってはいけない」と
書いてあるにも関わらず、ペットを購入・飼育していた場合ですと、
もちろん「契約違反」となります。
契約違反で飼育されているペットに迷惑しているようであれば、
飼い主に直接クレームをつけたりするよりも、
大家さんにその旨を伝えて、対処をお願いするほうが賢明です。
次回のメルマガでも、ペットに関するトラブルについて、
もう少しお話しを続けていきたいと思います。