「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
一般的なイメージとは異なるかも知れませんが、前回もお話しした通り、
俗にいう「借金地獄」に陥ってしまう方は、真面目な方が多いのです。
真面目に返しているからこそ、利用可能額の枠が広がっていきます。
そして、返済のために、広がった枠を使ったり、別の業者からも借りて、
一生懸命になって返していく...その繰り返しになってしまうのです。
このような問題を引き起こす元凶となったのが、
前回お話しした「グレーゾーン金利」です。グレーゾーン金利とは、
利息制限法と出資法という、二つの法律の間にある曖昧な境界線を
利用して設定された、本来は支払う必要のない高い金利のことです。
ところが、そのグレーゾーン金利は、今から4年前の平成18年に、
最高裁での判決によって「無効」ということが確定しています。
これまで「グレー」だった金利は、実は「ブラック」だったのです。
この判決によって、金融業者はグレーゾーン金利で受け取っていた
利息分を返還しなければいけなくなりました。現在、払い過ぎた利息を
取り戻す「過払い金請求」が盛んになっているのはそのためです。
それでは、過去に金融業者から借金をしていた方や、現在も取引を
続けている方が、過払い金について調べる方法をご紹介しましょう。
まずはご自身が金融業者と何年くらい取引されているかについて
調べる必要があります。取引のある金融業者にその旨を伝えれば、
「取引履歴」という書面を送ってくれるはずです。
「金融業者にそんなことをお願いするのは怖い」と思われるかも
しれませんが、そんなことはありません。
自分の手元に契約書などが残っていなくても、取引履歴があれば、
過払い金の有無や、過払い金の金額を計算することができます。
一部の業者では取引履歴を残していない場合もありますが、
「大手」と呼ばれるところであれば、きちんと応じてくれるはずです。
取引履歴には、いつ契約したか、何%の金利で契約したか、
いくら借りて、いくら返したのか、といった情報が全て載っています。
そこで、まず注目すべき点は、「取引開始から何年になるか?」
という部分です。グレーゾーン金利による過払い金は、
概ね7年くらいの取引きがあれば発生しているといわれています。
もし、7年以上にわたって取引を続けているような場合には、
弁護士または司法書士に相談してください。ただし、司法書士は
法律の定めによって、140万円を超える事案には対応できませんので、
最初から弁護士に相談されるほうが良いかもしれません。
実際に、過払い金請求を行った場合、140万円を超える事案になる
ことは珍しくありません。たとえば、10年以上も取引を続けている
ような場合ですと、「まだ50万円の借金が残っている...」といった
場合でも、140万円を遙かに超える金額が返還されることもあるのです。
弁護士事務所に相談に行き、過払い金の有無や金額を調べたり、
過払い金を取り戻したりすることで、ご自身がどれだけ高い利息を
支払っていたかということに、ようやく気が付くケースが多いです。
過払い金請求をすることを煽るわけではありませんが、
「何とかして返さなくてはいけない...」と思っていた借金が、
いつしか「貯金」になっていたということもあります。
これまでに担当させていただいた事案のなかで、最も多く返還された
金額は約1,700万円です。20年にわたって約800万円の借金を
していた方なのですが、過払い金請求をすることによって、
800万円の借金がゼロになった上、1,700万円が戻ってきたのです。
この方が、過払い金請求という法律に基づいた消費者の権利を
ご存じなければ、とんでもない大損をしていたことになりますね。
それでは、弁護士に頼めば確実に払い過ぎた利息が戻ってくるか
といえば、必ずしもそうとも言い切れない部分もあります。
弁護士さんによっては、過払い金請求などの債務整理の経験がない方も
いらっしゃいます。また、依頼者の方が「借金があって困っている」
ということにつけ込んで、手続きにかかる費用を必要以上に請求する
といった悪質なケースもあるようです。
過払い金請求に関する広告がたくさん出ていますが、
どこも同じということはありません。もし手続きをされるのでしたら、
信頼できる、または、相談しやすい弁護士を選ぶようにしましょう。
過払い金請求に関する費用については、弁護士事務所の場合ですと、
返還された金額の2割程度が一般的です。
※その他、手続きなどにかかった若干の実費が必要となります
過払い金請求について、「弁護士や司法書士に相談してみよう」と
思っても、実際には敷居が高くて入りづらいという方が非常に
多いようです。いざ、弁護士事務所の前まで足を運んでも、
「軽くあしらわれたりするかもしれない...」「借金について怒られ
たりするかもしれない...」などとお考えになる方もいらっしゃいます。
しかし、実際に過払い金請求をされた方のほとんどは、
「もっと早く相談すれば良かった!」とおっしゃられます。
弁護士は決して"偉い人"でも"怖い人"でもありません。
身近な法律問題を解決するスペシャリストですから、
余計な心配はなさらずに、お気軽にご相談にお越しください。