『リコカツ』第９回放送（2021年6月11日）拝見いたしました。
紘一の父正は、元妻が働いている旅館で働いたものの、慣れない接客業のため支配人からクビだと言われ、どうしても働かせてほしいと土下座して懇願しました。また、咲の父武史は、元妻から2000万円をだまし取った立川（中山麻聖）のところへ乗り込み怪我を負いました。薫と美土里は、それぞれ元夫のそのような姿を見たり、元夫が語った妻への気持ちを聞いて、あらためて元夫の想いに気づき、元夫の所へ戻る決心をしました。
そして、咲と紘一も、これまで相手を想っていたがために言葉にしなかったことを伝えることができ、戻るような予感…。
３組とも、ここに至るまでに、長い道のりを乗り越えました。
少し、ハッピーエンドに近づいてきましたね・・・。

ところで、ドラマの3組のご夫婦は、離婚してしまってから復縁ということでお話は進んできましたが、私達が普段ご相談を受ける際によくあるのは、パートナーから離婚と言われたが、自分としては離婚したくない、これまで同様生活したいのだがどうしたらいいか、というご相談です。

離婚も、結婚と同じように、当事者の意思の合致が前提ですので、裁判にならない限りは、一方の意思のみで離婚することはできません。ですので、離婚しない！と言い切って、相手がなんの行動も起こさなければ、事実上婚姻関係は継続することになります。

ただ、事実上、婚姻関係が継続したとしても、相手方の離婚意思が固いと、これまで同様の生活を継続したいというご相談者の意向を実現することは難しいです。
また、相手方は、そのまま放置することは少なく、離婚をすすめるため、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てて、裁判所での離婚の協議に応じるよう手続きを進めたり、離婚調停が不成立になった場合には、離婚の裁判を提起したりすることになります。裁判では、ご夫婦が離婚すべき理由があるかどうかについて審理されますので、必ず離婚が認められるわけではありませんが、別居し、事実上夫婦としての形がない状態での生活が長期化すればするほど、裁判の結論も、離婚の方向に傾いていきます。

そうすると、相手が離婚だと言ったら、最終的には離婚しないとしかたないのか・・・。

いえいえ、数は少ないですが、当職が交渉の代理人として関与して、最終的に離婚せず復縁したご夫婦はいらっしゃいます。
そして、そのいずれのご夫婦にも共通するのが、まずは、相手へ色々言う前に自分が変わるという気持ちがあったこと、そしてこれまでの生活をきちんと振り返り、自分の至らなかった点を認め、これを言葉に出して、誠実に伝えたことです。

でも、一人でこういったことを考えるのは難しいですよね。ですので、私達がご依頼いただいた際には、ご一緒に考えて、知恵を絞り、なんとか相手方へ伝えるための努力をしています。

ただ、最後は、ご本人の熱意と決意です。
今回のリコカツ第９回の放送、ラストシーンで紘一が、咲に、「自分は変わる！」と叫んでいました。まさに、これです。これくらいの熱く固い決意でなければ、相手には伝わらないのです。

全てに当てはまるわけではありませんし、うまくいかず、最終的には離婚せざるを得なかったケースも多いです。
それでも、相手に離婚だと言われたとき、離婚したくないと思ったら、なぜ相手がそう言い出すようになったのかを考え、反省する気持ちを言葉にして相手に伝わるように努めることは、どういう結論になったとしても、後悔しないためにしておくべきことだと思っています。

さて、来週は、とうとう最終回。
咲は、パリに行くのか？そもそも離婚の原因だった仕事と家庭の両立はできるのか？
咲と紘一は、どんな風に変わっていったのか？
ハッピーエンドは確信していますが、どこに着陸するのか、色々想像しながらも予想が裏切られるのを楽しみに、最終回、満喫したいと思います！

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ご相談やセミナーの雰囲気も少し感じていただけると思いますので、ぜひご覧ください。
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（弁護士　小川　弘恵）