「暮らしに役立つ法律情報」は、過去に配信していたメールマガジンの内容です。
最新の情報とは異なる場合があります。予めご了承ください。
あれも良いけど、こっちも良いな...などと、あれこれ考えながら、
欲しい物を手に入れるショッピング。女性だけでなく、
男性の皆さんにとっても、楽しいものだと思います。
ところが、いざ商品を手にしたときに、「思っていたのは違う...」
といったことも、少なからずあるものです。
ときには、より重大なトラブルを引き起こすことも考えられますので、
今回はショッピングに関するトラブルについて、
知っておきたいことをお話ししましょう。
たとえば、使い勝手の良さそうなお鍋のセットを購入したとします。
ところが、使用中に取っ手が脱落してしまいました。
取っ手が脱落するなどということは、煮えたぎったお湯で
火傷をしてしまう可能性もあり、非常に重大なトラブルです。
そのような場合、私たちはどのように対処すれば良いのでしょうか。
たまたま、そのお鍋の取っ手の取り付けが悪かったという場合ですと、
「不良品」という扱いとなり、
メーカーの「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が認められ、
無償交換などの対応を受けることができます。
ただし、既に何年も使ったものや、通常使用の範囲を超える
使い方をしていたような場合には認められません。
もしも取っ手が取れて、お湯を足にこぼして火傷を負った...
という場合はどうなるでしょうか。そのような場合は、
メーカーに対して、損害賠償請求を申し立てることができます。
この場合、お鍋の欠陥と火傷の因果関係を立証し、
「製造物責任法(PL法)」に従って訴えを申し出ることになります。
さて、一般的にいわれる「欠陥」ですが、
「その物が通常有すべき品質または安全性を欠いている状態」をいいます。
こう聞くと何だか難しそうに感じますが、要するに、
「ごく当たり前の使い方をしていたのに壊れてしまった」という場合が、
欠陥にあたるのです。
お鍋にかかわらず、身のまわりのさまざまな商品を使っていて、
何らかのトラブルが発生した場合は、その商品を販売していたお店や、
その商品を製造したメーカーに相談するのが一般的かもしれません。
その時点で、交換などに応じてくれたりして、トラブルが解消されれば
問題ありませんが、そうならない場合があるかもしれません。
そんなときは「消費生活センター」や「国民生活センター」などの
行政機関に問い合わせてみると良いでしょう。
消費生活センターや国民生活センターには、毎日たくさんの人から、
日常生活でのトラブルに関する情報が集まってきます。
そこに相談すると、同じ製品で、同様の事故が発生していないか
などを調べて、アドバイスをしてくれます。
相談時に「トラブルが発生した製品を送って欲しい」と言われた場合、
その商品を送ると、専門的な調査を行ってくれます。
ですから、購入した商品でトラブルが発生した場合、
その商品をすぐに捨ててしまわないようにしましょう。
また、トラブルが発生したら、その証拠を残しておくことも大切です。
壊れた製品を、そのままの状態で写真に撮るなどしておきましょう。
トラブルが起きた後に、訴えを起こしたり、請求をしたりする際には、
証拠が何よりも大切になってくるからです。
商品の欠陥によって怪我をしたりしたような場合には、
怪我をした箇所の写真も残しておくことが必要です。
なかなか難しいことですが、何らかの商品を購入した際には、
「○年○月○日購入」などと記録を残しておくほうが良いでしょう。
なお、消費生活センターは地方公共団体が設置している行政機関で、
国民生活センターは消費者庁が管轄する独立行政法人ですので、
誰でも安心して相談することができます。ショッピングに関する
トラブルが発生した場合には、まず、それらの場所に相談して、
アドバイスを求めることをおすすめします。