今回のテーマ
遺留分についての実例
遺言書があれば、故人の意志に沿って財産を分けられると思っていませんか?
しかし相続では「遺留分」や「受贈者の死亡」など、考慮すべきポイントが多くあります。
今回は実際に寄せられた相談をもとに、遺言の有効性や遺留分の請求について詳しく解説します。
未来を見据えた遺言作成の重要性を知るために、ぜひ最後までご覧ください。
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澤田弁護士 先日、遺留分のお話しとして、遺言で財産の分け方を指定したとしても、配偶者や子供などには法定相続分の半額程度が最低限遺留分として保障されているので、遺留分が侵害されている場合には取り戻す権利があるというお話をしました。
今回は具体的に一例をご紹介したいと思います。 -
詳しく教えて頂けますか?
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澤田弁護士 実際に頂いた相談なのですが、ご主人が早くに亡くなっていて、ご主人の母親(義母)が先日亡くなりました。
ご主人には妹がいて、妹も数年前に亡くなっており、相続人は義母の孫である2人(相談者の息子と妹の娘)が代襲相続人となっている状況でした。
義母様は遺言書を残しており、その内容は十数年前に作成された公正証書遺言で「全財産を主人の妹に相続させる」というものでした。 -
ということは、妹さんは既に亡くなられているので、相続は不可能ですよね?
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澤田弁護士 遺言書作成時点では妹さんはご健在でしたが、妹さんの方がお母さんより先に亡くなっているので、この遺言の内容は無効になってしまいます。
しかし、妹さんが亡くなる直前に、自筆で新たな遺言書を作成しており、「妹が先に亡くなった場合は妹の娘に全財産を相続させる」という内容になっていました。 -
更に別の遺言書を用意されていたんですか!どのように判断されるのでしょうか?
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澤田弁護士 ポイントは、遺言書で誰に遺産を渡すか書いていても、受贈者が先に亡くなっていた場合、その条項は無効となるということです。
そのため、遺言書を作成する際には「受贈者が先に亡くなった場合の予備的な記載」も考慮しておくことが大切です。 -
より先の未来を見据えて遺言を作成することが大事なんですね。
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澤田弁護士 また、遺言書の効力は公正証書でも自筆でも同じですが、自筆の場合は作成された状況が問題になることもあります。
例えば、義母様が公正証書で書き直さなかった理由として、認知症が進んでいて判断能力がなかった可能性も考えられます。
遺留分侵害額の請求として、相談者の息子さんには4分の1の遺留分があるので、遺言の存在を知ってから1年以内に、妹の娘に請求の意思表示をする必要があります。
相談の結果、「少しでも権利があるなら請求したい」とのことで、息子さんからご相談いただくことになりました。 -
迷った時は、まずみおに相談ですね!
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澤田弁護士 遺言にまつわるご相談は、ぜひみおにお任せください。
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みおのまとめ
特に、受贈者が先に亡くなった場合、その遺言の内容が無効になってしまう可能性があるため、将来を見据えた遺言の作成が必要です。
また、遺留分の侵害がある場合、相続人は一定の権利を主張できます。ただし、その請求には期限があるため、早めの対応が重要です。
相続に関する疑問や遺言書の作成について不安がある方は、ぜひみお総合法律事務所にご相談ください。