今回のテーマ
緊急に作りたい遺言
今回は、突発的な病状や急変する状況下での遺言作成について、実際の事例を交えながら解説します。
自筆証書と公正証書の違いや、入院中など特殊な状況でのリスクを踏まえた上での「危急時遺言」の手続きなど、具体的な対応策について説明。
家族間の不要なトラブルを避け、円滑な相続につなげるための重要なポイントをお伝えします。
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澤田弁護士 今回は遺言を緊急に作りたい場合についてお話しします。
ご主人が倒れて、入院中なんですが、遺言を作りたいというご相談もよくあります。 -
唐突に対応しないといけない場面ですからね。
詳しく教えてください! -
澤田弁護士 遺言は、自筆証書(自分で手書き)と公正証書(公証人が作成)の大きく分けて二つあります。
ただ、入院中というような状況の場合、できれば公正証書がおすすめです。
理由としては、病状によって自分で字が書けないケースも多く、判断能力がある状態で遺言を作成したのかどうかなど、後々問題になるからです。 -
不要なトラブルは避けたいところです。
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澤田弁護士 実際にこれまでに、末期がんの患者さんで、転倒して脊椎損傷し、身動きできないが意識ははっきりとあるという状況の方の遺言を、公証人に出張してもらって作ったこともあります。
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公証人を呼ぶのが間に合わないとか、病状が急変して・・・みたいな場合はどうしたらよいのでしょうか?
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澤田弁護士 「危急時遺言」というものがあります。
「一般危急時遺言」の要件は、次のとおりです。
①証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授する。
②口がきけない人の場合は通訳人の通訳を受けた証人が筆記する。
③口授を受けた証人が筆記した内容を、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、または閲覧する。
④各証人が筆記の正確さを承認した後、遺言書に署名し印を押す。 -
澤田弁護士 「一般危急時遺言」は、遺言の日から20日以内に、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して遺言の確認を得なければ効力を生じません。
また、遺言者が普通方式によって遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存すると、一般危急時遺言は無効となります。
証人は3人必要ですので、病院の場合は、うち一人は担当医などに協力をお願いすることもあります。 -
あくまで緊急的な措置で、適切に対応しないと効力を発揮しないんですね。
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澤田弁護士 このほかにも、どうしても遺言が必要な事情がある方もおられます。
例えば・・・
・奥さんとは長年不仲で別居していて、事実婚の女性に財産を残したい場合
・子どもがいない夫婦で、奥さんが認知症で世話が必要なのに、ご主人がガンで余命宣告された場合
などです。 -
できれば、そんな事態になる前に、余裕があるときに遺言を作成しておいた方がいいですね!
みおのまとめ
自分自身や大切なご家族のために、余裕のあるときからしっかりと準備を進めることが重要です。
不安な点があれば、ぜひみおにご相談ください。