後見制度について(法定後見) - みお綜合法律事務所
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今回のテーマ

後見制度について(法定後見)

今回のテーマは「後見制度」についてです。
高齢化社会が進む中で、認知症などにより判断能力が低下した方々の権利や財産を守るための制度として、後見制度が注目されています。
しかし、多くの方にとってはまだ馴染みの薄い制度かもしれません。

今回は、認知症の現状から始まり、後見制度の必要性、そして制度の具体的な内容まで、わかりやすく解説していきます。
特に「補助」「保佐」「後見」という3つの類型について、実際の事例を交えながら詳しく説明しています。

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    今日のテーマは「後見制度」についてです。
    認知症になったら、判断能力が低下して、財産の管理や介護サービスの利用申し込みなど自分でできなくなります。
    お金はあるのに、老人施設に入るための入居金の支払いのためにお金が出せない、自宅に住めなくなって売って、老人施設に入りたいのに、判断能力が低下して不動産を売ることができないといった事態が予想されます。

  • 男性

    認知症で判断能力が曖昧になると、様々なリスクが浮き彫りになりますね。

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    まずはその認知症についてですが、令和元年の厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について」によると、日本の65歳以上の高齢者の方の、認知症の方の数は2020年の段階で約602万人に達しているとされます。
    これは65歳以上の人口の約6人に1人の割合です。
    今後も増加すると予測され、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人、全日本国民に換算すると、17人に1人が認知症を発症すると考えられています。
    その後も、認知症の方の数は増加傾向が続くと予測されており、認知症はもはや他人ごとではありません。

  • 男性

    5年前の段階でも高齢者の6人に1人と高い割合なのに、さらに悪化していく予想とは・・・。
    今後の超高齢化社会を見据えると、切っても切り離せない問題ですね。

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    認知症になると、生活において援助が必要になるのは、もちろん、悪質なセールスにあい、不要なものをつぎつぎと購入させられるリスクがあったり、介護費用の支払いのための銀行の手続きや不動産の売却など、さまざまな場面で財産管理の援助が必要になります。
    そんなときに、本人の代理人として法定後見人を選任してもらい、法定後見人が本人に代わって本人の財産の管理や介護サービスの申し込みなどの手続きをします。

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    そして、法定後見制度は、ご本人がひとりで決めることが心配になったとき、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。
    ご本人の不安に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つの種類(類型)が用意されています。

  • 男性

    詳しく教えて頂けますか?

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    例えば補助(一番軽い)では、ご本人は、最近お米を研がずに炊いてしまうなど、家事が思うようにできなくなったり、貸金業者からの借金を繰り返したりするようになりました。
    不安になったご本人が長男に相談し、長男が家庭裁判所に補助開始の申立てをし、併せて他人からお金を借りたり、他人の借金の保証人となることについて同意権付与の審判の申立てをしました。
    家庭裁判所の審理を経て、ご本人について補助が開始され、長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。
    その結果、ご本人が長男に相談せずに、貸金業者から借金をしたような場合には、長男がその契約を取り消すことができるようになりました。

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    例えば補佐では、ご本人は1年前に妻を亡くしてから一人暮らしをしていました。
    以前から物忘れがみられましたが、最近症状が進み、買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか、わからなくなることが多くなり、日常生活に支障が出てきたため、長男家族と同居することになりました。
    ご本人は、持ち家の老朽化が心配になり、売却して安心したいとの希望を持つようになりましたが、ご自身で進めることは困難でした。
    そのため、長男にお願いしたいと思い、補佐開始と併せて、持ち家の売却に関する代理権付与も申立てました。
    家庭裁判所の審理を経て、保佐が開始され、長男が保佐人に選任されました。
    長男は、家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け、ご自身の自宅を売却する手続を進めました。
    ※補助と補佐は申立てにあたって本人の同意が必要になります

  • 澤田弁護士
    澤田弁護士

    例えば後見では、すべての法律行為について後見人が代理できます。
    ただし、後見人がお金を使い込まないように後見人を監督する成年後見監督人が選任されることもあります。
    第三者の専門家などが後見人や後見監督人に選任されるので、毎月の報酬が発生します。
    いったん後見が開始されたら、判断能力が回復しない限りつづきます。

  • 男性

    「法定後見」についてご相談されたい方は一度「みお」にお問い合わせいただければと思います。

みおのまとめ

後見制度は、認知症などにより判断能力が低下した方々の権利と財産を守るための重要な制度です。
認知症の高齢者数は今後も増加が予想され、後見制度の重要性はますます高まっていくと考えられます。
後見制度は、本人だけでなく、家族や周囲の人々にとっても大きな安心をもたらす制度でが、制度の利用にあたっては専門的な知識や手続きが必要となります。
困ったときや不安なときには、弁護士などの専門家に相談することが大切です。