今回のテーマ
消滅時効援用
今回のテーマは「消滅時効援用」についてです。
借金問題は、多くの人が直面する可能性のある厳しい課題ですが、その中でも「消滅時効援用」という手続きは、返済が難しくなった場合に大きな助けとなるかもしれません。
今回は、消滅時効の概要から具体的な手続きの流れ、注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
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みお法律事務所へのご相談総数で一番多いのは借金問題のご相談です。
借金問題といえば、年間で1000件以上のお問い合わせをいただいています。
具体的には、任意整理、自己破産、民事再生、過払い金請求、消滅時効援用というのが相談の内容です。
先週と先々週は、今借金の返済に困っているという方の解決方法をお知らせしましたが、今週は「消滅時効援用」についてご説明します。 -
「消滅時効援用」・・・聞きなれない言葉ですが、詳しく教えて頂けますか?
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消滅時効援用とは、債権者が債務者に対して請求等をせずに、法律で定められた一定期間が経った場合に、債権者の権利を消滅させる手続きをいいます。
例えば、昔の借金を放っていたところ、忘れたころに、突然、多額の利息をつけて債権回収業者から取り立ての連絡がくるというケースがあります。
振り込み詐欺などの場合は、まったく根拠のない詐欺の請求になりますが、債権回収業者からの督促は、実際に過去に借りて放置していた借金の取り立てになりますので、法的根拠があります。
放っておくと、業者から裁判を起こされて、銀行口座や不動産、家財道具などを差し押さえられる可能性があります。 -
身から出た錆ではありますが、やはり借金は放っておいてはいけませんね。
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実は業者からの借金は5年間返済をしなかったら、消滅時効が成立している可能性があります。
業者からの督促状に元金と遅延損害金の内訳が書いてあるケースが多いのですが、多額の遅延損害金がついているケース、例えば元金は30万円くらいなのに遅延損害金が30万円以上ついている場合、5年以上放置している可能性があります。
消滅時効を主張すれば1円も返済せずにすみますが、返しますと約束したり、1円でも内金をいれてしまったりすると、時効の主張が認められなくなります。 -
時効を迎えている場合は、業者の要求に安易に応じないことが大事なんですね。
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しかしながら、5年たっているからといって、必ずしも時効が成立していないケースもあります。
業者が裁判所で支払い督促などの法的手続きを取っている場合などで時効が中断(更新)されている可能性があります。
まずは弁護士に相談して、弁護士から時効援用の内容証明を業者に送って、業者の反応を待つのが正しい方法です。
もし、時効がまだ成立していない場合(時効ギリギリに請求してくる場合もあります)や更新されていてまだ時効が成立していない場合には返済方法について弁護士が業者と協議したり、場合によっては法的整理を検討するという流れになります。
時効の援用についても、みおにご相談ください。
みおのまとめ
しかし、時効の成立は複雑で、安易な判断は危険です。
例えば、時効成立後に返済を約束したり、わずかでも返済してしまうと、時効の主張ができなくなってしまいます。
また、債権者が法的手続きを取っていた場合、時効が中断されている可能性もあります。
借金問題に直面した際は、まず専門家に相談することが重要です。
お困り際はぜひ「みお」にご相談ください。