今回のテーマ
「さすらう遺産」について
今日のテーマは「さすらう遺産」についてです。
最近、新聞やニュースで耳にすることが増えてきたこの言葉ですが、
皆さんはその意味をご存じでしょうか?
「さすらう遺産」とは、相続人を持たない人が遺言を残さずに亡くなった場合に、
国庫に入る遺産を指しています。
今回は、この「さすらう遺産」の背景や具体的な事例、
そして増加の理由について解説します。
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今日は、「さすらう遺産」についての話題です。
皆さんはこの「さすらう遺産」という言葉、ご存じでしょうか?
子どもや配偶者などの相続人を持たない人が遺言を残さず亡くなると、裁判所が選んだ相続財産清算人が債務を返済するなどして遺産を整理することになります。
そして、残りは国庫に入ることになるんですが、この遺産を「さすらう遺産」と呼び、新聞などでも話題になっています。 -
つまり、相続人がいない場合は、国のお金になるということですね。
具体的な事例があれば教えて頂けますか? -
例えば、生涯独身であったり、結婚していても子どもがおらず、配偶者に先立たれ、親や兄弟も既に亡くなっているような場合、法定相続人が存在しないため、遺産が国に帰属する可能性があります。
また遺言書がない場合、特に親族や友人など親しい関係にあった人がいても、法的には相続人と認められず、遺産は国に帰属することになります。
遺産を希望する人がいたとしても、遺言がなければその意向は法的には支持されません。
この国庫に入る「さすらう遺産」ですが、2022年度に768億円と、10年前の375億円から倍増しています。
財務省によりますと、国に入ったお金の使途は決まっていないとのことですが、何らかの歳出に充てられることになります。 -
これだけ「さすらう遺産」が増加しているというのは、何か理由があるのでしょうか?
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やはり、子や配偶者のいない高齢者が増加していることが挙げられます。
また不動産価格の上昇のほか、高齢世帯に資産が集中しているという事情もあります。
総務省が公開している人口推計(毎年10月1日時点)によりますと、2012年におよそ1519万人だった75歳以上の人口(後期高齢者)は、2022年にはおよそ1936万人と27%増加しています。
後期高齢者の生涯未婚率はこの間にほとんど変動していないことから、子や配偶者がいない人の数も同様に増えていると推測されます。
加えて国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2050年には65歳以上の一人暮らしが1084万人と、2020年に比べて約1.5倍。
高齢者単独世帯に占める未婚者の割合は男性が6割、女性が3割と倍増することが予想されています。 -
使い道が定まらない国のお金がどんどん増えていきそうですね・・・。
自分の財産の行き先をきっちりと示すには、やはり終活が大事ですね! -
遺産が「さすらう」ことを避けるためには、終活が重要です。
信頼できる相続人を選び、弁護士に相談して法的に有効な遺言書を作成しましょう。
財産リストを作成し、定期的に見直して最新情報を反映させることも大切です。
みおのまとめ
信頼できる相続人を選び、弁護士に相談して法的に有効な遺言書を作成することが大切です。
また、財産リストを作成し、定期的に見直して最新情報を反映させることで、遺産が「さすらう」ことを防ぐことができます。