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弁護士の時事解説

ハラスメント問題 「ハラスメント」に対する考え方

ここ数年、ハラスメント問題がマスコミやSNSで頻繁に取り上げられるようになってきました。セクシュアルハラスメントでは、2018年、海外映画界の大物プロデューサーからのセクハラ被害告発に端を発した「#MeToo」運動が世界的な広がりを見せ、国内でも、財務省次官が女性記者へのセクハラ発言により辞任に追い込まれた事件などがありました。 パワーハラスメントでは、日大アメフト部事件を始め、スポーツ界における問題の数々が表面化したのをご記憶の方も多いと思います。 このようなハラスメントは職場においても問題になることがあります。今年の年明け早々には、オリンピック・パラリンピック開閉式の演出担当メンバーが、パワハラ行為で勤務する会社から懲戒処分を受けていたことを理由に、辞任するという出来事がありました。セクハラやパワハラは基本的人権を侵害し、労働条件や職場環境を悪化させる重大な問題です。今回は、セクハラ、パワハラについて、【ハラスメントの問題点】【法律による規制の有無】【どんな行為がハラスメントに該当するのか】をお伝えして、使用者も労働者も気持ち良く働くことができる、ハラスメントのない職場環境の実現に役立てていただければと思います。

職場におけるハラスメントは誰も得をしない

まず、被害にあった労働者側から見ると、【名誉感情・人格権が傷つく】【使用者側の誤った対応による二次被害】【うつ病などメンタルヘルスの問題】【欠勤や休職、最悪の場合には自殺】など重大な結果を招くリスクすらあります。

また、加害労働者側からみると、就業規則に基づき、ハラスメントを理由に懲戒処分されることになりますし、事案によっては懲戒解雇もありえます。被害労働者や遺族から不法行為に基づく損害賠償(民法709条)を請求されるリスクもあります。

さらに使用者側からみると、【被害労働者や遺族から職場環境配慮義務違反を理由に不法行為責任・使用者責任・債務不履行責任を問われる】【加害労働者に対する懲戒処分の適正をめぐって加害労働者から地位確認訴訟を提起される可能性】【電通事件のように報道により公表されることで企業に対する社会的信頼が失われる】というリスクもあります。

 

セクハラ

職場におけるセクハラは、男女雇用機会均等法11条1項によって『職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就労環境を害されること』と規定されています。

事業主は、被害を受けた労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じる義務(措置義務)が課せられています。

 

意に反する性的な言動

よく「被害者がセクハラと感じたらセクハラに該当する」という話を聞きますが、必ずしもそうではありません。

被害者が明白に拒否する態度や言動がなかったとしても、セクハラであると判断されることもありますし、被害者がセクハラを訴えればそれが全てセクハラに該当するということでもありません。

厚生労働省の行政解釈では、「性的な言動か」「就業環境が害されるか」の判断にあたっては、平均的な労働者(被害者が女性であれば平均的な女性)の感じ方を基準にすることが適当とされています。

被害者の意に反する身体的接触で、強い精神的苦痛を与えた場合には、たった1回の行為でも、就業環境を害するとしてセクハラに該当しますし、身体的接触を伴わない性的発言であっても、継続して同様の発言を繰り返すことで、強い精神的苦痛を与えた場合、例えば、女性社員の異性関係について社内外で批判する、「食事に行こう」「デートしよう」などのメールをたびたび送る、といった行為もセクハラに該当すると判断されることがあります。

 

 

パワハラ

2018年3月に厚生労働省から公表された、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書」によれば、都道府県の労働局に寄せられた、労働者からの労働相談は、「職場におけるいじめ・嫌がらせ」がトップでした。

パワハラはセクハラとは異なり、企業にパワハラ防止措置を義務付ける法律はありませんでしたが、2018年11月、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会の分科会が、職場のパワハラを防止する措置を企業に義務付ける法律を整備する方針を明らかにし、2019年の国会で関連法案が可決・成立しました。

 

 

こんな行為がパワハラに

上述の検討会報告書によると、職場のパワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適性な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。

かつては業務上の指導教育として受け入れられてきた言動であっても、労働者からパワハラと指摘されることが増えました。

しかし、上司の「パワー」を指揮命令のために適正に行使するのは、上司の職責であるのが本来の姿です。適正な範囲の支持や注意は、たとえ受け手が不満を覚えてもハラスメントには該当しません。

業務に必要な適正な範囲を超えて初めて、ハラスメントに該当するのですが、一律の基準を設けることは困難です。そのため、パワハラの法整備化についても、企業側から指導との線引きが難しいという反発もありました。

一律な基準で判断することは困難ですが、【暴力で怪我を負わせる】【暴言、人格否定発言】【大声で怒鳴る、厳しい叱責を執拗に繰り返す】といった行為がパワハラに該当するのは当然として、それ以外にも【業務上明らかに必要性のない行為(例:研修会で特定のコスチュームの着用を強要する指示)】【業務の目的を大きく逸脱した行為(例:能力に見合わない仕事を与え就業意欲を低下させる)】といった行為が、パワハラに該当する可能性があります。

 

 

ハラスメント防止のために

では、ハラスメントを防止するにはどうすればよいでしょうか。

なんでもかんでもハラスメントと言われるのが怖くて、過度に萎縮して職場におけるコミュニケーションが不足するのは本末転倒です。

一人ひとりが、「これくらいは許されるだろう」という安易な考えではなく、こういう行為がハラスメントに該当するという知識や価値観を共有して、世代間の認識の差を埋めようとする意識が必要かと思います。

そのためにも、企業側も、社員や管理職の意識を改革する機会を提供し、「言ってはいけないこと」「やってはいけないこと」を具体的に理解する社内研修を実施したり、万一ハラスメントが発生したときはスムーズに対応できるよう相談窓口を設置することなどが必要です。

当事務所では、判例で問題になったような具体的事例を挙げながら、どのような行為がハラスメントに該当するかや、ハラスメントが発生したときの対応方法について、わかりやすく解説する「社内研修」を実施しております。「社内研修」をご希望の方はお気軽にご相談ください。
このコラムを書いた人


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